株式会社玉井商店

足袋ができるまで

足袋ができるまで

 

足袋の生産は幾つもの工程を全て手作業で行います。

特に縫製については複雑な工程が多く、熟練の職人でないと綺麗な足袋は作れません。

今回はそんな足袋の工程についてのお話をさせていただこうかなと思います。

 

 

 

 

 

 

引き伸し

 

生地の裁断をしやすいように布を揃える作業です。

 

染色、漂白、糊つけなど加工を施した布地の汚れや傷を点検。

材料の目利きもしっかりした職人技を支える重要な技術です。

 

綿(キャラコ)は汗を吸って、着物を傷めにくい。

合成繊維はシワになりにくいなどの特徴があります。

 

 

裁断

 

 

足袋の金型を用いて機械で抜き打ち裁断をします。

 

裁断用の金型はオリジナルで生産したものを主に使用しています。

横布や斜め布は原則として使っていません。

 

底型

足袋の底の部分

親指と人差し指の間の

指の股にスリットが入っています。

人間の全体重を支えます。

 

四ツ型

人差し指、中指、薬指、小指の

四本の指が入る側、

前に進む力を作るなど

指が快適に包まれていることが大切です。

 

親型

親指が入る側

踏ん張ったり、バランスをとったりするのに

指が自由に動かせることが重要です。

 

 

掛糸通し

 

 

掛糸通しという工程です。

かかとで止め金(甲馳=コハゼ)を掛けるための糸(掛糸)を親型に一気に通します。

 

甲馳に対して寸法を気をつけないと履き心地がよくない。

二度通しをしないこと、よりの戻った糸は使わないことで、足の動きを快適にしています。

 

 

掛糸止縫い

掛糸を固定し、糸と布地が擦れて傷まないようにします。

 

踵で留める掛糸と甲馳は足の動きに合わせて一番よく動く部分。

掛糸そのものが歩くたびに動いてしまうと縫い目から布地を引き裂いてしまいます。

 

人間のよく動く足に合わせて丁寧な仕事をしています。

 

 

甲馳付け

 

 

金属製の留め具甲馳を四ツ型の踵の部分に付けます。

親型にある掛糸と間隔を揃えるためミシンの布送りにはリズムが大切。

足袋には甲馳が四枚のものと五枚のものがあります。

礼装や舞踏などきちんとした場面では五枚甲馳、正座しても

疲れにくいのは四枚甲馳です。

 

羽縫い

 

 

甲の表地と裏地を縫い合わせます。

縫い代は浅すぎるとほころびやすく

深いと仕上がった時筒が浅くなる。

縫い代に目を凝らしてしっかり縫います。

 

甲縫い

 

親型と四ツ型を縫ってくっつけ、甲を形作ります。

足の甲の立体的な曲線に合わせたり

筒口の折り返しに段ができないように配慮します。

ようやく甲の部分の原型が完成しました。

 

甲返し

 

これまで作業をしていた裏面から表面へひっくり返します。

縫い合わせた部分の角をきちんと出すよう丁寧に作業します。

 

尻止縫い

 

 

丸く縫える特殊なミシンを使って親型と四ツ型の踵の部分を円形に縫って合わせます。

絶妙に隙間を調整して、強度を持たせる。

砂が入りにくく、肌が見えにくいと同時に狭くなりすぎて足の自由度が失われないような

職人ならではのさじ加減です。

 

爪先縫い

 

 

爪先部分の甲と底型をくっつけるために縫います。

立体的な指の曲線や指の股の形状に

気をつけながらシワや膨らみを作って、指がきちんと収まるように。

爪先縫いは足袋全体の格好と履き心地を左右する最も大切な工程なので、技術の見せ所です。

 

廻し縫い

 

 

爪先から踵までぐるっと甲と底型を縫い合わせます。

足のカーブに沿わせながら慎重に作業。

少しでもズレると、踵で布が足りなくなったり長くなったりするので注意します。

 

千鳥縫い

 

甲の部分と底を縫い付けた縫い目を補強するために千鳥縫いをします。

底の力が強くかかる爪先や踵が破れないように、しっかりとした作りになっています。

人間の体重と動きに耐える丈夫な底で、さらに履き心地もよくなります。

 

仕上げ

 

 

足袋を指の形、指の股、踵に合わせた木型にゆすって入れて木槌で叩きます。

縫い目を柔らかくして履き心地をよくこの作業を丁寧にしていると歩いた時

縫い目が当たって痛いということが起こりにくいです。

 

製品検査

 

製品検査はお客様と職人仕事をつなげるための信頼の工程です。

爪先、廻し、尻どめの部分の糸取りが完全かどうか油ジミを見逃すことなくチェックしています。

 

袋入れ・箱入れ

 

オリジナルの金型を使っているので色々な形や大きさがあります。

職人のこだわりをお客様にお届けするため、文教、品種、袋、箱は決して間違えません。

 

弊社の足袋はこのような幾つもの工程を経てお客様のもとへ届けられます。

一つ一つを丁寧に、愛情を込めて作っています。

 

足袋は現代ではあまり馴染みのない履き物になってきています。

履いたことも手に取ったこともない方が多いと思います。

 

そんな中、私たちは足袋の文化、歴史を守りながら時代に合った新しいプロダクトを考え発信していこうと考えています。

このブログを通じて少しでも足袋に興味を持ってくださる方が増えることを願っています。

 

 

 

 

 

 

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