精華大学デザイン学部との産学連携授業が終了しました
精華大学デザイン学部との産学連携授業が終了しました
先日、京都精華大学デザイン学部プロダクトデザイン学科との産学連携授業が終了しました。
京都精華大学とは京都にある芸大で、マンガ学部を作ったことで有名な大学です。
産学連携とは?
そもそも産学連携とは何?と思われる方が多いと思いますのでざっくり説明しますと
産学連携とは、主に大学などの教育・研究機関と企業が連携する取り組みのことです。大学の研究成果や技術を企業の製品開発などに活かすことを目的としています。
大学側にとっても、産学連携によって大学の研究成果や技術を経済活動に結びつけられるメリットがあります。
というものです。
実は弊社は2016年から京都精華大学との産学連携授業に取り組んでいます。プロダクトデザイン学科とはその名の通りモノづくりのデザインを学ぶ学科で工業製品から生活雑貨まで幅広い分野のデザインを学ぶことができます。
コンセプトの組み立てからモデル制作、プレゼン資料作成まで全てを行うためスケジュールとしてはタイトでハードですがかなり力が付くカリキュラムとなっていて、産学連携授業では「足袋」「靴下」の新製品開発を目的として授業をしています。
足袋という地場産業の活性化を目的とするデザイン
正直に申し上げますと、この授業の難易度はかなり高いと思います。。なぜかと言いますと「足袋」という需要が減少している分野を再構築しないといけないためです。
足袋の需要がどれだけ減っているのかを簡単に説明すると、昔は100社以上あった足袋の縫製工場が現在は数社ほどしか残っていません。そしてその数は毎年減少しています。時代とともに足袋を履くシーンが減ってきたという点が大きいです。また、最近ですとコロナでお祭りなども中止となり厳しい状況が続いています。
そこで、デザインの力で足袋文化の再生を行うというのが授業の大きな主旨となります。足袋の技術を使い新しいプロダクトを生み出し世に出していくということです。履き物という点では足袋に変わる「靴下」というプロダクトがあるためそれらを考慮し考えなければなりません。足袋より履きやすく、安く、見た目への抵抗がない。わざわざ足袋を履かなくても「靴下でいいじゃん」というシーンが多いのです。
足袋は健康にいいですよ、と謳ったとしても靴下には勝てません。それを「足袋じゃないとダメだね」という考えへとシフトさせるようなプロダクトデザインが必要なのです。あとはそのプロダクトが現実的に生産可能であるかどうかも重要です。いくら良いアイデアであっても実現できなければ意味がありません。
最終プレゼン開始
前置きが長くなりましたがそんなこんなで学生たちも上記のポイントに悩みながらこの授業に取り組んでいました。
先日は授業の集大成である最終プレゼンが行われました。自分の考えたアイデアをモデル化し、プレゼン資料を作りプレゼンをするという感じです。皆さん真面目に考えていて色々なアイデアが出てきて面白いプロダクトが多かった印象です。
今回は留学生が半数を占めるというグローバルなクラスで、20名以上もの学生が授業を受けていました。
最初は社長の話から始まりました
社長が学校に行くのはこの日が初めてなのでどんな学生がいてどんなアイデアを発表するのか全く知らない状態です。足袋についての話や玉井商店が求めるものなど、様々なことを学生に向けて話しています。
子供用足袋型レインブーツを提案
留学生が作った下駄と足袋一体化デザイン
社長からのアドバイスを聞く生徒
プレゼンを終えて
4時間くらいでしょうか。全員のプレゼンと講評が終了しました。個人個人に思うことはたくさんありましたが全体的にはきちんとやり切れていた印象です。まだ2年生なのでこれからたくさん経験をして力をつけていってほしいと思いました。
社長は数人の生徒さんの案に可能性を感じたみたいなので引き続きその生徒さんたちにはヒアリング等進めていこうと思います。弊社ではこういった産学連携授業やその他様々な活動を積極的に行なっています。また進捗ありましたらご報告させていただきます。
では!